自然界にある包装とはどんなもの

自然界には、とても優れた包装があります。蓮の種というのは、2000年の時を経て発芽するそうです。蓮の種はとても硬い外殻で守られています。この硬い外殻というのは、蓮を守るとても優れた包材です。蓮の種子には、外界の乾燥や無酸素などといった厳しい条件に長い期間耐えることができます。外界に水分と温度、酸素があれば、それをキャッチします。そして硬い外殻を破って発芽させる仕組みが備わっています。動物の卵も優れた包材といえます。動物の卵は呼吸しています。外界の条件にも耐えて、呼吸を続けさせる仕組みがあります。鶏の卵には、呼吸のために殻に小さな穴があいてます。そしてその穴から細菌が入らないように、白身に細菌を溶かす酵素が含まれています。胚は栄誉に富んだ黄身とその外の白身に守られています。黄身は胚に栄養を与え、白身は胚を守る緩衝材になったり、断熱材の役割があります。モリアオガエルの卵は、魚の餌にならないように池の上の木の枝に作った泡の中に産卵します。卵はこの泡に包まれています。この泡の表面は乾燥して薄い膜になって、さらなる乾燥を防いでいます。この泡は、卵に十分な水分を与えるのと同時に外界の変化にも耐えられる仕組みがある包装となっています。時間が経って、卵が泡の中でおたまじゃくしになると泡が溶けます。そしておたまじゃくしが自然に水の中に落ちるようになっています。木の実の外殻にも不思議な機能を持ったものがあります。楓や紅葉の種子やフタバガキの身には種を守る外殻にプロペラが付いています。これで種を遠くに飛ばすという仕組みです。たんぽぽも遠くに飛ばすための仕組みです。種子の殻には中身を守る以外の機能を持った包装と言えます。