商業的無菌で常温での長期保存が可能

食品の長期保存には殺菌が不可欠ですが、無菌状態のレベルとして耐熱性細菌を流通上問題とならない数量まで滅菌した「商業的無菌」と呼ばれるものがあります。商業的無菌を達成するためには、まず包装容器を無菌にしたうえ、包装する食品なども120~150℃という高温下で2~3秒間という「UHT(Ultra High Temperature:超高温殺菌法)」のような加熱殺菌処理を施す必要があります。使用される殺菌処理には、そのほか72~75℃以上で15秒以上といった「HTST(High Temperature Short Time高温短時間殺菌法)」、電子レンジと同様な原理の「マイクロ波加熱」、電極で挟んで通電により行う「通電加熱」などいくつかの殺菌方法も知られています。このような処理を行ったうえ、クリーンルーム(無菌室)で加熱殺菌された食品を充填してはじめて、常温でも長期保存が認められることとなります。